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ふじむら歯科医院の日々


by fuji-dent

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症例報告について その2

 歯科の病気は、自然に治るということがないだけに、ムシバなどの治療した跡は、お口の中に残ります。また、レントゲンを撮ってみますと以前の根の治療の跡や、かぶせものの適合の状態も分かります。ですから、我々歯科医は今までの治療状況を容易に知ることが出来ます。
 歯科医向けの専門誌上で口の中の写真やレントゲン写真入りの歯科症例報告をするということは、報告であると同時に、不特定多数の同業者に自院の治療をさらけ出すわけでもあります。治療後の歯肉の状態を見れば、その歯科医院がどんな歯周治療をしているのかがわかります。歯周治療というのは、歯科医、歯科衛生士を始めとした歯科医院の総合力が問われる部分で、その歯科医院の治療レベルや医療に対する取り組みまでも映し出すように思っています。ですから、美しい歯肉に治した症例を見た時には感動し、尊敬の念を抱きます。
 1986年以来、何度か全国誌に症例報告を書かせていただきました(執筆論文の項参照)。誌面を汚しただけかもしれませんが、私のような地方の一開業医が、何度か書かせていただけたことは、大変光栄なことと思っております。そして誌面以外でも症例報告を通して知り得た多くの優れた歯科医の方々との邂逅も、自分の歯科医人生でかけがいのない宝物です。
 岩手からも他に、症例報告を書かれる先生が出ることを祈っています。
# by fuji-dent | 2007-12-14 17:12 | 歯科医院のこと

執筆論文

 執筆論文(主なもの)

1 「予後不安な支台歯や健全歯をどのように義歯に組み入れるかに迷った症例」                ザ・クインテッセンス 15-3.1986 クインテッセンス出版
2 「すれちがい咬合一歩手前への対応 (座談)」  歯界展望1988.6 医歯薬出版

3 「側切歯の舌側転位した4症例」あるスタディグループの歩み火曜会90 GC友の会

4 「シリコーン印象用個歯トレー法」「印象採得」補綴臨床別冊1994 医歯薬出版

5 「補綴物のチェックと調整」  BASIC5 2003 医歯薬出版 

6 「隣り合った複数の欠損(とびとびの欠損)」 SDPシリーズ歯列を守る 2003 医歯薬出版 

7 「少数歯欠損にどのように対応するか(座談)」 SDPシリーズ歯列を守る 2003 医歯薬出版 

8 「根尖病巣」リスクを持つ歯へのアプローチ 臨床歯科医のステップアップ研修 2005 ヒョーロン
# by fuji-dent | 2007-12-14 12:48 | 執筆論文

症例報告について その1

大学生の頃よく臨床のインストラクターにレポート提出を求められた。プロのスポーツ選手になるような学生がテストの代わりに提出するようなものではなく、実際の臨床の勉強のための下調べといった趣旨であったように思う。

この頃調べた論文に「中尾の咬合小面」、そして後に反面教師になる「局部床義歯の設計」という補綴臨床の特集号があった。その後その中尾先生がまさか我が診療室に訪ねてこられるようなお付き合いになるとは考えもしなかったが、数日前欠礼ハガキでご逝去を知り、とても驚いた。また今年は歯科医として私の崇拝の対象だった福岡県の筒井昌秀先生も他界された。お二人とも60代前半。人生の無常を考えずにはいられない。

話をレポートに戻そう。
図書館に行って、「歯界展望」、「補綴臨床」、「日本歯科評論」などから課題の症例に似たような症例報告を探したものだが、著者の大半が開業医であることにとても驚き、「すごいなあ、こんな開業医もいるんだなぁ!」と、あこがれのような思いを持ったのを覚えている。
  まさかこの数年後に、知遇を得て自分が症例報告を専門誌に書くようになるとは、想像だにしなかった。
# by fuji-dent | 2007-12-11 19:06 | 歯科医院のこと

歯型の採り方の工夫

歯のかぶせものは全てオーダーメイドでしかも手作りです。こだわればきりがありません。
その一例が印象採得です。印象採得というのは、歯を削った後にする、歯の型取りのことですが、特に審美歯科のようにいかにも自分の歯のように見せたい修復の時などに、歯ぐきの内側まで型どりをしなくてはならない時があります。これがなかなか難しいのです。
当院では高度な審美性を要求される時には、「レジン個歯トレー+シリコン印象法」という方法で型取りをしています。これはとても精密な型が取れますが、時間がかかる方法なのでセラミック冠のような保険外の治療にしか用いることは出来ませんが、応用して25年以上、信頼のおける方法と思っています。

歯型の採り方の工夫_f0154626_1822572.jpg当院の方法は補綴臨床という、歯科医向けの専門誌で紹介されています。
1994年に出版され、材料の進歩で少しグレードアップしていますが、今でも基本的にはこの方法で行っています。
この本はその後韓国語にも翻訳され、韓国人のメールフレンドから、「"Impression Taking"(日本語で印象採得)という本に(私の)名前が載っていた」と後で教えてもらいました。物価の違いもありましたが、韓国語分の印税はテレホンカード1枚でした。
歯型の採り方の工夫_f0154626_1823064.jpg
歯型の採り方の工夫_f0154626_18232448.jpg
# by fuji-dent | 2007-12-11 18:37 | 歯科臨床ファイル

審美修復2

必要があって歯に冠をかぶせる時、奥歯にも自然観のある歯を入れたいと希望される患者さんが増えてきました。
自然観のある歯で治す時に使用するのは陶材(セラミック)ですが、歯ぎしりや食いしばりが激しい方に使用すると割れてしまうこともあります。治す側の歯科医といたしますと、割れることがない金属で治していただいた方が長持ちするとお伝えいたしますが、白い歯を入れた時の患者さんの満足げなご様子を見るにつけ、セラミック以上のいい材料が早く開発されないかと思っています。

審美修復2_f0154626_17361841.jpgこの患者さんは初診時58才の女性で、全体的な治療をご希望なさいました。

審美修復2_f0154626_1737661.jpg向かって左側の奥2本が人工のオールセラミック冠、向かって右奥の2本が金属+セラミック冠です。

審美修復2_f0154626_1738993.jpg奥2本がオールセラミック冠、その手前が元々のご自分の歯です。
自然観で言えば
オールセラミック冠>金属+セラミック冠>金属冠
強度で言えば
金属冠>金属+セラミック冠>オールセラミック冠の順番だと思います。
# by fuji-dent | 2007-12-11 17:24 | 歯科臨床ファイル